ノルウェーの仕事探し
まず、今のポジションを見つけるまでの流れを教えていただけますか?
順番としては、まず日本で勤務しました。それで、ワーホリビザを取って、一年居られるのでその間に就活しようと考えてました。基本的にはフルタイムでないとスキルドワーカービザは降りないので、自分の職歴や学歴にマッチしている仕事を探していました。自分の場合、ITのキャリアがあったのでそこである必要がありました。
それで、自分は仕事を見つけて出来れば残りたいと友達に言っていたんですが、ある時に友達から「Vivaldiってとこが人探しているらしいよ」「条件聞いてるとたかあきにピッタリだと思うからよかったら見てみたら」と言われたんですよね。
それで早速Vivaldiのホームページを見たら日本担当を探していたので、これはぜひ!と思って応募させてもらいました。なので、ある種人伝てで見つけましたね。
なるほど。やっぱりノルウェーで仕事を見つけるとなると、ネット経由での求人よりは、それよりは人のツテであったり人脈からどんどん仕事が広がっていくのが主流なんですね。
そうですね。コネというと言い方が悪いかもしれないですが、一種の推薦社会かもしれないですね。採用する側も人を見つけるコストがあるので、そこをミニマムにしようと思ったら、最初から信頼できる人に来てもらう方が話は速いですよね。その辺は一種の合理的な選択なのかもしれないけど、推薦っていう形を取ることで信頼性を担保して、求人情報も人伝ての方が速くなります。「このポジション空きそうだよ」みたいな情報を空く前からわかるので。求人サイトは基本的に空きが出てからじゃないとわからないので、その時点でおそらく不利になっているかもわからないですね。
時間的なコストも金銭的なコストも割け、かつ確かなルートで人を採用できるというメリットがあるんですね。
なので新卒はなかなか厳しいですよね。仕事がない人、あるいは最初の一歩目が築けていない人は苦労するだろうなと思います。ノルウェー人でさえ仕事を見つけるのはそう容易いことではないと言われています。
まず人の繋がりを広げていってから、仕事にも繋がっていくということですね。
そうですね。そこから仕事の話が来ることもあれば推薦してくれることもあります。話が進んでいくことがあるのは人伝てが一番多くて、一番スムーズですね。ノルウェーでは少なくともそうですね。
その点、他の北欧の国でも人伝てで仕事が来るという話を聞くので、北欧だけというか他のヨーロッパの国に特化しているのかなと思いますね。むしろ、日本の採用の仕方が例外的なのかもしれないですね。
そうかもしれないですね。日本の場合、人脈や経験がなかったとしても未経験者歓迎が多くて、育てていくというスタンスが主流ですよね。その点、ノルウェーは「育てる」という考え方があまりなくて即戦力であることが求められますね。
実際に働いてみて、成果主義とか即戦力みたいなところは感じますか?
あまり成果主義みたいなところは感じなくて、そもそも成果を出せる人しか雇っていないと思います。それを含めて成果主義なのかもしれないけど。それから即戦力だなとは感じますね。求人情報なんかを見るとよくわかるんですけど、「2〜3年の経験がある人」とか明確に経験を求めて来ますね。なので、そういう経験をしてきた人じゃないと入ってこないです。
なるほど。こっちで働くとなるとやはり即戦力である必要があるんですね。それでいて、社員の方も色んな国籍の方が多く(約20ヵ国)て、かなり多様な職場なのかなと思いました。
そうですね。個人的な想いですが、バランスよくできればそれに越したことはないと思うし、それがチームワークをする意味そのものだと思います。色んな人達が集まるからこそ自分1人ではできないこともできますね。
続いて「ノルウェーの働き方」について
文筆家、写真家、イラストレーター。学部時代のスウェーデン留学が大きな転機となり、北欧のウェルビーイングを身体で学ぶべく、ノルウェーとデンマークの大学院に進学。専門は社会保障、社会福祉、移民学。2021年6月両国にてダブルディグリーで修士号取得後、帰国。現在は、アニメーション業界に飛び込み、ストーリーテリングの観点から社会へ働きかけるべく活動を広げている。フリーランスとしても活動している。又、北欧情報メディアNorrから派生した「北欧留学大使」を主宰し、北欧留学支援もしている。
■これまでの活動歴:「令和未来会議2020”開国論”(NHK)パネリスト出演」、「デモクラシーフェスティバル2020(北欧5カ国大使館後援)イベント主催」、その他講演多数