最近日本でもスーパーで飲み終わったペットボトルをリサイクルするとポイントがたまるなどのサービスが出てきていますが、環境先進国スウェーデンにはビン、缶、ペットボトルをリサイクルして現金が戻ってくるPANT(パント)というサービスがあります。
約一年スウェーデンに滞在してみて、PANTがスウェーデンの人々の生活の一部になっていることを痛感しましたので、今回はそのPANTについてご紹介します。
PANTとは?
PANTは飲み終わったビン、缶、ペットボトルなどの容器をリサイクルすると、お金が返ってくるというスウェーデンのサービスです。厳密にいうと、飲み物の支払いの際に容器代がデポジットとして含まれており、PANTすればその分のお金が返ってくるというシステムです。
消費者にとってはPANTした分のお金が戻ってきますし、環境負荷削減にも貢献できる為、現地ではPANTは当たり前。留学していたルンドは学生街でしたが、パーティーの翌朝に大量の空きビール缶をもってスーパーに向かう学生をよく見かけたものです。
PANTは1984年にスウェーデンに導入され、2016年時点ではスウェーデンのアルミ缶とペットボトルの84.9%がPANTによってリサイクルされるほど。
ちなみに、日本のペットボトルとアルミ缶のリサイクル率は2017年度にそれぞれ92.5%ス84.8%。
数字だけ見るとスウェーデンとさほど変わらないように感じますが、スウェーデンの84.9%という数字には、PANT以外の従来の方法(収集車による回収や駅のゴミ箱など)で捨てられ、リサイクルされたものは含まれていないのがポイントです。
つまりスウェーデンはPANTのみで日本とほぼ同じリサイクル率を実現しており、いかにPANTがスウェーデン人の生活に根付いているかがわかると思います。ちなみに、スウェーデン語には「PANTをする」という意味の’’PANTA’’という動詞もあるほどですよ。
How to PANT
PANTのやり方はとても簡単。以下の流れに沿って試してみて下さい。
①空き容器(缶、ビン、ペットボトルなど)をスーパーに持っていく
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②PANT専用の機械に容器を一本ずつ入れる
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③全部入れたら、PANTKNAPPENと書いてあるボタンを押す
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④もらえる額が書かれているレシートが出てきて終了!
いくらくらい返ってくるの?
基本的に500mlのペットボトルなどの小さな容器は1KR、1.5L以上のペットボトルなどの大きい容器は2KRもらえることが多いです。以下写真のように、容器にPANT 1KR や PANT 2KRなどもらえる額の記載があるので見てみてくださいね。
出てきたレシートはレジにて現金に換金することもできますし、会計の際にレシートに記載された額をお会計から割り引いてもらう事も出来ます。PANTのレシートをレジで出したら店員さんに換金するかお会計から割り引くか聞かれるので、希望を伝えましょう。
最後に
今回はスウェーデンのリサイクルサービス「PANT」についてご紹介しました。当時留学生だった自分はなるべく生活費を節約したかったので、空き容器が出た時は必ずPANTをしていました。もちろん環境配慮の観点からもおすすめしたいサービスですが、特に留学で行かれる方には経済的にも助かると思いますので、是非積極的に使って頂きたいですね。
参考文献:
「That’s pant! The story behind Sweden’s bottle recycling scheme」
https://www.thelocal.se/20180328/thats-pant-the-story-behind-swedens-bottle-recycling-system
スウェーデンで約一年間過ごした後、’’日本にはない価値観を届けよう’’と、RenとNorrを開設。
世界最北端の都市を訪れたり、北極圏でトレッキングしたりと冒険が生き甲斐。