フィンランド語の中での一番有名な単語と言えば何ですか?多分サウナじゃないですか?温泉文化がある日本では馴染み深いので、サウナが日本語だと思った人もいるかもしれませんね。
漢字でも書けてしまいそうなサウナですが、実はフィンランド発祥なんですね。
その歴史も古く、1万年ほど前に起源があるようです。1万年ほど前というと氷河期です。もっともらしい時期ですね。元々は動物の皮で覆われた竪穴にあったようです。
フィンランドの人口は550万人ほど。
そしてサウナの数は300万を悠に超えて、550万人が一斉に入っても足りるほど。色々な歴史がありフィンランドを語る上で欠かせないのがサウナなんですね。
それもそのはずフィンランドサウナ協会が制定した「サウナの日」というのがありまして、毎年6月第2土曜日なんです!今年は本日2019年6月8日!!
ちなみに日本には公益社団法人日本サウナ・スパ協会という団体があるのですが、そちらが制定している「サウナの日」は3月7日(サウ(3)ナ(7))です。
フィンランド人の生活の一部となっているサウナで実際にどんな位置付けなのか?どんなサウナが現地にはあるのか?サウナについて色々と見ていきましょう!!
●社交の場としてのサウナ●
日本でも温泉に入ることを「裸の付き合い」と言いますよね。同じようにフィンランドでも同性間で裸になってサウナに入ります。神聖な場所として捉えられているようですが、フィンランド人はサウナの中でアルコールを飲むんだとか。水分補給は大事ですが、アルコールでも良いのかはわかりません。
●健康法としてのサウナ●
100度近い室温のサウナに入ると、肌からブワァーっと汗が吹き出てきますよね。高温の空間で汗をかき、その後水風呂や湖などで体を冷やす。この繰り返しがベーシックなサウナの楽しみ方。
あったまった体を冷たい水で冷やすあの感覚は何にも変えられませんよね。そんなサウナに入ることのメリットって何でしょうか?
①軽い運動替わりになる
②ストレス軽減
③睡眠の質向上
④長寿促進
⑤心臓病予防
など
大きくこのようなメリットがあるようです。こうしたサウナの効用について心臓専門医のJari Laukkanenさんが研究発表をしました。
中年男性を対象とした研究ですが、1週間に4-7回サウナに入る人は、週1回程度入る人に比べて高血圧や致死的な心血管に罹る確率が半分程度になったそうです。
その他にも、サウナ愛好家は致死率が40%下がり、突然心臓死の確率が60%下がることがわかったそう。サウナに入ることで心肺機能が強化されるようですね。
フィンランドにはどんなサウナがあるの?
ここまでいかにサウナが良いものかについて見てきましたが、今度はその種類について。え?サウナって木製の部屋のことでしょ?って思う方もいるかもしれません。実は本場フィンランドにはいくつかの種類があるんです。
①スモークサウナ(Savusauna):80-160℃
サウナの原型とされているタイプ。大きいストーブで木材を燃やすため煙がたつわけですね。
②ストーンサウナ:70-130℃
地方で多いタイプ。十分に乾燥したバーチ材を金属製のストーブで燃やしてその熱で石を温めます。
③電気サウナ:80-105℃
安全性に優れているため家庭用サウナでは一般的なタイプ。
最後に本場フィンランドに行った時のためにサウナ用語を押さえておきましょう!
:löyly(ロウリュ)
熱い石に水をかけた時に発生する蒸気、熱、温度。ロウリュが聞き馴染みのある方もいるかもしれません。日本ではこの蒸気をタオルで仰ぐことを指します。
:vihta/vasta(ヴィヒタ/ ヴァスタ)
白樺の枝葉を束ねたもの。フィンランドではこれを身体に叩くことがある。ミネラルを多く含むヴィヒタを身体に打つことで、血行促進などの効果が期待できるそう。 ※呼び名は地域で異なる
:kippo/kauha(キッポ/カウハ)
柄杓で水を汲んでストーブにかけること。
:tonttu(トントゥ)
サウナの精。サウナでの礼儀がなっていないと怒り、燃やされるとされている。
サウナって入り方はあるの?って疑問に思う方もいるかと思います。サウナ→水風呂→サウナ→水風呂….の繰り返しにはなりますが、自分の身体と相談して無理のない範囲でリラックスすることが大切です。
我慢比べではないので、良きところで休憩をするのがベストなサウナの楽しみ方ではないでしょうか?
参考:
https://www.sauna.or.jp/jigyou/jigyou.html
https://www.bbc.com/news/magazine-24328773
文筆家、写真家、イラストレーター。学部時代のスウェーデン留学が大きな転機となり、北欧のウェルビーイングを身体で学ぶべく、ノルウェーとデンマークの大学院に進学。専門は社会保障、社会福祉、移民学。2021年6月両国にてダブルディグリーで修士号取得後、帰国。現在は、アニメーション業界に飛び込み、ストーリーテリングの観点から社会へ働きかけるべく活動を広げている。フリーランスとしても活動している。又、北欧情報メディアNorrから派生した「北欧留学大使」を主宰し、北欧留学支援もしている。
■これまでの活動歴:「令和未来会議2020”開国論”(NHK)パネリスト出演」、「デモクラシーフェスティバル2020(北欧5カ国大使館後援)イベント主催」、その他講演多数