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「北欧ブーム」が終わっても北欧が注目され続ける理由

NorrライターのRenです。「北欧」に魅せられて早くも3年以上が経ちました。

日本にとどまらず世界的にも「北欧」という地域は注目されていると思います。日本に限っては、北欧雑貨をはじめとした「北欧ブーム」とでも言えるような流行がありますよね。雑貨系のイベントはあちこちで開催されています。それでもやっぱりブームは一時的なものであるので、長期的に続くものではありません。

一方で、「北欧」に対するイメージはある程度共通した認識があると思っていて、それは言わば「北欧ブランド」として半ば確立したものだと思います。これについては、いまの僕の状況からそう言えます。

現在ノルウェーの大学院にて北欧の社会保障やソーシャルワークについて勉強しているわけですが、同じコースに在籍する学生は全員ノルウェー外から来た人たちです。つまり、北欧というブランド(この場合は福祉や社会保障)があるからこそ、それについて遥々学びに来る人がいるということです。


少し前置きが長くなってしまいましたが、今回はこの「北欧ブーム」と「北欧ブランド」について整理してみたいと思います。

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Artek Tokyo Storeより




消費財としての北欧ブーム


まず北欧ブームが終わる理由について考えていきます。

「北欧」と聞くと必ずと言っていいほどに雑貨や家具、デザインが挙がります。いま読んでいる方の頭にもいくつか思い浮かぶものがあると思います。

ただここでブームになっているのはあくまでも物質的なものであって、どちらかというと日用品です。特に家具なんかは長く使うものであって、そもそも北欧では長く使うことが前提なので、一度買うとまた買いに行くというサイクルは生まれにくい。

つまり、購入して消費に移った時に、ブームは右肩下がりになる可能性が高いということになります。ここでブームが終わってしまう理由は、ブームの対象が「モノ」であるという点にあります。




思想としてのブーム


続いて、「思想」「考え方」について。北欧的な考え方に紐付いたタイトルで書籍が出版されていることをよく見かけます。特に、デンマークの「hygge(ヒュッゲ(正しくはヒュゲ))」や、スウェーデンの「fika(フィーカ)」なんかが良い例です。今では少し落ち着いたかもしれませんが、一時期流行りましたよね。

こうした考え方やライフスタイルは、もともと当国にあった過去の考え方で、それが日本に伝わっただけです。見えていなかったものが見えるようになったという表現が正しいかもしれません。

一時的に爆発的な広がりを見せることがあるこうした思想ですが、時間が経つとモテハヤサレなくなります。こうした思想面でのブームが終わってしまう理由として、まず過去のものであることがあると思います。もちろん、現地では今も深く根付いている考え方ではありますが、そこの延長線上(未来)にまで何かが繋がっているかというと必ずしもそうではない。

おそらくここがポイントで、一時的に「hygge」「fika」を生活に取り入れてみるものの、時間とともにそのブームは終わりに近づきます(要は、最初真新しい考え方であった非日常的なものから、時間とともに日常へと無意識に移行されるということ)。

だからこそ、いずれはこうした伝統に基づいた思想や考え方のブームには終わりが待っているのではないかと思います。




スタヴァンゲル大学構内より
アルネ・ヤコブセン:「セブンチェア」「アリンコチェア」




なぜ北欧は注目され続けるのか?


残念ながらブームには終わりがあることをみてきました。もちろん、北欧の商品は機能性に富んだシンプルなデザインが特徴的でどれも素晴らしいです(僕自身も大好きです)。ただ、いずれそのブームには終わりが来る。

それでいて、なぜ北欧は日本だけでなく世界から注目され続けるのか?

僕が出した答えは、


「潔白」と「革新」


です。




LGBTパレードに参加するノルウェー警察


まずは「潔白」から。北欧は極めて潔白な国として知られています。どれくらい潔白な国なのか2つの指標を参考にしながらみていきます。




①世界幸福度ランキング


これは6つの指標を元に幸福度が算出されているのですが、この6つの中に、政治やビジネスでの「汚職の有無」が含まれています(156カ国対象)。

2019年のランキングで見ると、第1位はシンガポール。北欧諸国で見るとそれぞれ、

  • デンマーク:3位
  • フィンランド:4位
  • ノルウェー:6位
  • スウェーデン:8位
  • アイスランド:45位

でした。アイスランドの順位は芳しくなかったようですね。ちなみに日本は35位でした。

もう1つの指標が「Transparency International」です。




②Transparency International


汚職に関する指標をまとめている団体で世界100カ国以上に拠点があります。ランキングの対象国は180カ国で、2018年の北欧諸国の順位は以下の通り。

  • デンマーク:1位
  • スウェーデン:3位(同率)
  • フィンランド:3位(同率)
  • ノルウェー:7位
  • アイスランド:14位

日本は18位でした。


「世界幸福度ランキング」と「Transparency International」を元に北欧の潔白さについてみてみましたが、少なくとも多くの国よりもクリーンな国であることは間違いなさそうです。




潔白であることはなぜ良いのか?


これは北欧型福祉モデルと深く紐づいているのですが、潔白で透明性が高いということはそこに「信頼」「信用」が生まれるということです。

簡単にいえば嘘をつかないということになるので、政府と市民間、企業間での信頼関係ができやすくなります。この関係性があることで、高い税率を受け入れる体勢が国民にあるといえそうです。

この潔白さから他国への信頼も生まれているのではないかと考えられます。







続いて、2つ目のキーワード「革新」について。北欧と聞くと何かと時代の先駆けであるようなイメージがあるかもしれません。

例えば、環境省を最初に設置したのはデンマークであって、スウェーデンはヨーロッパで初めて紙幣を導入した国です。今では、キャッシュレス化が加速して現金を見ることすら珍しくなりました。最近(2019年12月現在)でいうと、フィンランドにて世界最年少の女性首相(34歳)が誕生しましたね。例をあげればキリがありません。多くの分野で世界の一歩先を走っていると言えそうです。

こうした一連の出来事から、北欧は変化し続ける地域と認識しても良いのかもしれません。




革新の何が良いのか?


ここで大事なのは、なぜ変化し続けると良いのか?ということ。それはひとえに、それ自体に注目が集まるからです。

特に北欧に限って言えば、まだどの国も挑戦したことのないことに向かって走っていくことが多いです。誰も見たことのない世界だからこそ、そこに視聴率が生まれ、かつこれはメディアとの相性がすこぶる良い。新しいもの、珍しいものを取り上げる傾向のあるメディアにとって、北欧はどちらにもマッチしています。そして、それが世界で流れる。こうした循環によって北欧への眼が向けられるのだと思います。

さらに言えば、北欧は時代に合わせて変化するのが上手です。それはIT化や環境問題、SDGsをはじめとする活動にも反映されています。正しい未来へと進んでいこうとする姿にさらに興味関心が生まれるとも取れるでしょう。

「変わりたいから変わる」というよりかは、「変わらざるを得ないから変わり続ける」と捉えた方が良さそうです。




ノルウェーのLGBTパレードに参加する女性




北欧はどこへいく?


最後に、これまでの話をまとめます。北欧ブーム(そもそもブームには終わりがある)に終わりがあるのは、消費されるものを扱っているからであって、また過去に紐づいているものであるから。

一方で、そんな北欧がそのブランドを維持し続ける背景には「潔白」「革新」が深く影響してるのだと思います。信頼から生まれる国としての「潔白さ」と、常に正しい方向へと変化し続ける「革新性」。この2つの掛け合わせが、確固たる「北欧ブランド」に寄与しているのだと思います。


北欧という地域は必ずしも恵まれた地域ではなく、例えば、気候的な制約を強く受けています。ただ、そうした外的環境が先ほど挙げたような「北欧の柔軟な精神性」を育んだのだと僕は考えます。

何かと一歩先を行く北欧諸国。今度はどんな変革を起こすのか。きっとこれからも正しい方向へと進んでいきます。

これからも北欧には目が離せません。




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参考:

Transparency International「CORRUPTION PERCEPTIONS INDEX 2018」: https://www.transparency.org/cpi2018

denmark.dk「Quick Facts About Denmark」:https://denmark.dk/quick-facts

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