こんにちは、NorrライターのRenです。
今回は日記のようなブログになりそうです。
ノルウェーと聞くと、何が思い浮かぶでしょうか?世界でも広く知られているのは「雄大な自然」だと思います。それこそ、フィヨルドなんかは特に有名で、「自然の美」を求めて遥々ノルウェーまでやってくる日本人観光客も少なくありません。
僕が住んでいるノルウェー南西部の街スタヴァンゲルにも、かなり有名なリーセフィヨルドがあり、世界中の自然フリークの虜になっています。
僕個人としては、そこまで自然に強く惹かれていなかったのですが、ノルウェーへ住み始めて8ヶ月が経とうとする今になって、ようやくその重い腰を上げてみました。
今回は、スタヴァンゲルの隣町から程近くにある「ダールスヌーテン(Dalsnuten)」という小さな山へ行ってみました。
ノルウェーでもようやく春の訪れを感じられ、道端には今にも開かせそうな花が沢山見られます。
この日はいつにも増して晴れ晴れとした暖かい日で、絶好の登山日和。いつも以上にバランスの良い朝食を摂り、早速登山着、という名のスポーツウェアに着替えました。
友達と一緒にバスを乗り継いで、お昼前に山の麓へ着きました。山頂へは片道2km弱の道のり。早速登り始めます。
アウトドアに疎い僕なのですが、登山というとそれなりに整備された道を進んでいくものだと思っていました。ところがどっこい、ノルウェーの山ではそうはいかないようです。
岩々とした道なき道を一歩、また一歩進んでいきます。岩に書かれた赤字の「T」だけが手がかり。この「T」はノルウェー語で「Tursti」、ハイキングコースを意味します。
岩を渡り歩き、沼を避け、葉っぱを落とした木々を抜けること30分。時々木に生えたキノコに目を取られながらも、ようやく抜け出して、中継地点かと思われるところへ到着。そこには大きな池があって、その湖畔にはキャンプ場もあるようです。
この池を背に向けて30度程顔を上に向けると、この山の頂が見えました。
すでに登っている人、降りてくる人が沢山いて、でもここからはみんながごま粒のように小さく見えます。これまで以上に傾斜があって、大きな岩を右へ左へ登っていくと、ようやく山頂に。
そこには、絶景が広がっていました。対岸には僕が住むスタヴァンゲルの街が小さく見えます。
「あれってIKEAじゃない?」
「たぶんあの辺に大学があるよ」
友達と会話を楽しむ。そんな小さな発見に心を躍らせながら、パシャパシャと写真を撮ります。
春を思わす暖かい美味しい空気を目一杯吸い込んでひと息、
「最高だ!」
山頂では子連れやカップル、友達同士で登りに来た人などで賑わっていました。写真を撮り終えると大きな岩に座りながら、友達をランチをします。色んな話をしながら気付けば1時間は経ってたかな?
もっとゆっくり、のんびりと山頂で寝そべっていたいところでしたが、帰りのバスに乗り遅れないように、来た道をまた「T」を頼りにして降りていきます。
「きっとまた登りにくる!」
そう心で呟き、足元に気をつけながら大きな岩を一歩ずつ降りて行く。
そりゃノルウェー人は自然が好きなわけだ
ノルウェーに住んでいながらこれまでその雄大な自然に触れてきませんでした。今回初めてノルウェーの山に登ってみて、感じたことはただ一つ。
“ノルウェー人と自然の距離の近さ”
肌感として、他の北欧人よりもなんとなく自然に近い暮らしをしているようなイメージがあったノルウェー人。なんだか腑に落ちた気がします。
山頂からみた素晴らしい景色を一度知ってしまうと、きっとまたここに戻ってこよう、そう思わされます。
幼い頃からこうして自然に触れてきたノルウェー人からしたら自然を大切にするということは、半ば疑いようのない当たり前のことなのかもしれません。
お父さん、お母さんに手を引かれながら登ったあの山は、気付けば友達を週末登る山になり、パートナーとの憩いの場になっているのかもしれない。そして、いつか大人になって、小さい頃の自分がそうであったように子どもを連れてまた山へ遊びに行く。
色んな思い出が沢山詰まった、いわば「故郷」とでも呼べるところがノルウェー人にとって「山」であり「自然」なのかもしれないなと感じました。
家の近くの湖へ行くと必ず散歩をしている人たちを見かけます。1人で散歩する人、子供を連れて散歩する人、それからゆっくり湖を眺めながら歩く老夫婦。ジョギングをする人だって沢山います。
自然と隣り合わせで育つノルウェー人からすれば山登りは至極普通のことであって、なんでもない日常なのかもしれません。
少しはノルウェーの生活を垣間見れた1日でした。
「さ、次はどの山を登りに行こうかな。」
※Norrインスタグラムに山頂からの他の動画(タイムラプスなど)も上げているのでよければそちらもどうぞ!
↪︎「Norrインスタアカウント」
※それから、登ったその日に書いたnoteもよかったらどうぞ!このブログとは違った文体で書いています。
↪︎「ノルウェーの大自然までの道のり」
文筆家、写真家、イラストレーター。学部時代のスウェーデン留学が大きな転機となり、北欧のウェルビーイングを身体で学ぶべく、ノルウェーとデンマークの大学院に進学。専門は社会保障、社会福祉、移民学。2021年6月両国にてダブルディグリーで修士号取得後、帰国。現在は、アニメーション業界に飛び込み、ストーリーテリングの観点から社会へ働きかけるべく活動を広げている。フリーランスとしても活動している。又、北欧情報メディアNorrから派生した「北欧留学大使」を主宰し、北欧留学支援もしている。
■これまでの活動歴:「令和未来会議2020”開国論”(NHK)パネリスト出演」、「デモクラシーフェスティバル2020(北欧5カ国大使館後援)イベント主催」、その他講演多数