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僕たちは生まれながらにしてデザイナーだ

NorrライターのRenです。


デザイナーという言葉には昔から憧れがあって、その理由は単純で響きがかっこいいから。




「あの服のデザインをしてるんだ」

「今度ビルのデザインを任された」


そんなことを見たり聞いたりするとなんだかワクワクする。

デザイナーになりたいわけではなかったんだけど、

何かを作ったり、

仕組みを作ったり、

設計したり、

今までなかったものを一から作ることには興味があった。


鉛筆一つとっても、「鉛筆」というものを初めて作った人はどんなことを考えて

あの細長い棒に行き着いたんだろう。

そんなことをふとした時に考える。


「ここをこうしたら使う人にとって便利だな」

「ここからここまではこう使ってもらうことにして、ここから先は使う人に任せよう」


まだ存在していないものを頭の中の地図に描いていく。

そんな器用さが僕にもほしかった。


最近はいろんなことをデザインする人が出てきた。


今までみたいに建物を設計する人、

文房具をデザインする人だけでなくて、アプリのデザインを考える人、

結婚式の披露宴をデザインする人、

目に見えないものだってデザインできる時代になった。

昔よりもずーっとデザイナーになりやすい時代になった。


でもよくよく考えてみると、

僕たちはみんな生まれがらにして“デザイナー”になることになっているんじゃないかな。

さっきまでのザ・デザイナーではなくて、もっともっと深いところにいるデザイナー。

誰かのために設計図を書いたりデザインするわけじゃない。




僕たちは僕たちの生き方をデザインしている。




産まれるとすぐに一枚の白地図を渡される。

でも完全な白地図ではなくて端っこに小さな文字が力強く書かれている。

産んでくれた親からもらう初めてのプレゼント、名前だ。

自分の名前が書かれた自分だけの白地図に少しずつ道を書いていく。

もちろん最初は地図の描き方なんてわかんないからそばで手助けしてくれる人たちがいる。

それは親であり、兄姉であり、近所のおじさん、おばさんでもある。

それだけじゃなくて、国っていう大きな社会が途中までは線を引いてくれる。

小中学校での義務教育。

そこだけは欠かせないみたいだからちゃんと実線で描かれているけど、

その先には高校、大学、専門学校、もしくは就職という行き先がうっすら点線で引かれている。


自分が行きたい道に線を引いていくんだ。

もちろん自分で違うベクトルに線を延ばしたっていい。

たまには地図を見渡してみて、

余白はどれだけあるのか、

これからどの方向に線を延ばしていくのか考えてみる。

隣の人の地図を見せてもらって、こういう描き方があるのかって学ぶこともできる。

そして、そのうちきっと惹かれる人と巡り合って、2つの地図をつなげて今度は一緒に描いていく。


白地図に黒いマジックで線を引いてもいいけど、せっかくならいろんな色を使って個性を出したい。

もしかしたら暖色だけを使って地図を作っていきたい人もいるかも。

隅から隅までデザインしたい人もいれば、

出来るだけシンプルにかつ線は細く、そんな人もいるかもれない。

自分が生きたいように描くことを許された自分だけの地図。


そんな地図が今を生きる人には平等に与えられている。

ひと昔に比べたら思い思いに地図をデザインできるようになった。

江戸時代なんかは「士農工商」っていう身分制度があった。

生まれた家や出自によってすでにデザインされた地図を渡されていた。

唯一違うのは名前だけ。

隣の人と全く同じの代わり映えのしない地図はもういらない。

100人いれば100人とも違った地図ができていい、いやそれがしかるべき地図のあり方だ。


でも、実際はそんな地図を持っているのにその存在を忘れてポケットにしまってしまう。

ちゃんと描き方を教わってないから地図を見るのをやめてしまう人もいる。

隣の人の地図が輝いて見えて、自分の素朴な地図を隠してしまう人もいる。


違う違う、その地図は描くためにもらったんだよ。

そこに描かれる地図に正解なんてない。

その地図を描けなくなる前に、目一杯描き尽くそう。

「こんな色どりのある生き方をしてたのか」

いつかそんな風に思えるように。

時間は待ってくれないよ。

僕たちはデザイナーであることを忘れちゃいけないんだ。

だから今日も地図の続きを描いていこう。

合言葉はいつだって、




Paint Your Life




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