『食品ロス「Nej tack」月間』第4弾！　

今回は、食品ロスを有効活用してエネルギーを作り出しているスウェーデンの取り組みをご紹介します。

「Nej tack月間って何？」と思った方はコチラをご覧下さい。


「 2040年までに再生可能エネルギーで発電をすべて行う」という目標を掲げているスウェーデン。
公共輸送機関の燃料を化石由来ではないものへ切り替えるなど積極的に取り組んでおり、今回ご紹介するバイオガスの取り組みもその一つ。

バイオガス発電

バイオガス発電は、家畜の糞尿や食品廃棄物（食品産業や家庭から）などの有機ゴミを発酵させてバイオガスを作り、それを燃やして発電する仕組みです。
昨今、太陽光発電や風力発電などを筆頭に再生可能エネルギーの利用が注目されていますが、バイオガス発電もその一つ。石油、石炭、天然ガスなどの有限な火力発電に比べてより持続可能性が高く、大量に温室効果ガスを排出しないということで注目されています。また、バイオガスを作る過程で出る残りかすは生物由来の有機肥料として再利用できるので、なるべく無駄がでない仕組みになっています。

食品ロスが燃料に！？

スウェーデンでは、温室効果ガスを減らすべく市バスの燃料として石油由来の燃料ではなく、生物由来の燃料を使う取り組みが行われています。中でもバスの燃料としてバイオガスを利用する取り組みは、ストックホルムやマルメといった主要都市をはじめ各地で見られます。IEA Bioenergyによると、2002年以来リンショーピンの都市部の路線のバスは全てバイオガスを燃料としているそうです。また、燃料が使われるまでの過程（燃料の生成、輸送）を比較してもバイオガスは環境へのインパクトが少なく、Ricardo Energy and Environmentによると、バイオガスはディーゼルや天然ガスより最大82%もその過程で排出される二酸化炭素が少ないそうです。

スウェーデンのリードショーピンという町で行われているバイオガス燃料についての紹介動画がありましたので、興味のある方は参考にしてみて下さい。

今回は食品ロスを有効利用したスウェーデンの取り組みを簡単にご紹介させて頂きましたが、一番は食品ロス自体ができるだけ少なくなることです。


今回のNorrの食品ロス「Nej Tack」月間を通して、「もう少し自分の食に責任をもって過ごしてみようかな」とか「食品ロスに目を向けてこんな活動をしている人がいるんだ」とか何か気付きを得て頂ければすごく嬉しいですし、食と環境の繋がりを再認識して頂く機会になればと思います。当たり前ですが、ゴミ箱に捨てたらそれで終わりではなく、それを処理する必要があるんです。ゴミ収集車に回収されれば自分の家からはそのゴミはなくなりますが、実際になくなっている訳ではありません。そのあと処理しなければいけないんです。

私たちも今回の「Nej Tack」月間が終わっても一人一人が意識をして行動し続けるので、できることから少しづつ一緒に取り組んでいきませんか！？

参考：
「100% BIOGAS FOR URBAN TRANSPORT IN LINKÖPING, SWEDEN BIOGAS IN BUSES, CARS AND TRAINS」 IEA Bioenergy Task 37
http://www.iea-biogas.net/files/daten-redaktion/download/linkoping_final.pdf

「バイオガス発電、日本の現状」株式会社アクアスHP
https://www.aquas-biogas.jp/about/situation.html

「Developing biogas vehicle fuel in Sweden」Air Liquide
https://www.youtube.com/watch?v=sQFSW6a79qY

「Energy use in Sweden」SwedenHP
https://sweden.se/society/energy-use-in-sweden/

「Biogas」 Smart City Sweden
https://smartcitysweden.com/focus-areas/biogas/