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永久凍土に託された人類の未来:スヴァールバル世界種子貯蔵庫

いくつもの「世界最北」をもつノルウェー領スヴァールバル諸島。近年では日本のメディアでも取り上げられることも多くなってきました。

以前の記事でもスヴァールバル諸島についてはご紹介しました。スヴァールバル諸島ってどこ?という方はコチラから記事へ飛べます!


今回は以前とは違った視点からスヴァールバル諸島について見ていきます。実はスヴァールバル諸島は「僕たち人類の未来」を支える役割を担っています。記事の最後にはきっとこの意味がわかるはずです。




スヴァールバル世界種子貯蔵庫


スヴァールバル諸島には世界中から植物の種が集められています。2008年にノルウェー政府によって開設されて、世界の種子貯蔵庫として機能しています。

最大で450万種の種を収容できるだけの広さがあります。1種類あたり5000粒の種を収容するという計算のもと、25億粒の種が収容できるようです。すでに世界中から送られた種は6000種、100万粒以上とされています(2018年)。

貯蔵庫内は常に−18℃に設定されていて、種は冷凍保存されているんです。内部はブラックボックスになっていて、種を預けた本人だけが引き出したり開けたり出来ます。


コチラから貯蔵庫の内部を詳しく見ることができます!→ https://tour.croptrust.org/





なんでスヴァールバル諸島にあるの?


これまで世界中で、1700箇所以上の貯蔵施設が作られていたのですが、どれも不完全なものでした。避けられない自然災害に遭う恐れのある施設であったり、紛争が起こりうる地域で運営されていたり。他にも資金不足で管理が十分に行き届いていない所もありました。

そうした中で、スヴァールバル諸島は最適な形で保存ができるとされているんです。永久凍土であり、その分厚い岩の中で常に低い温度で保存ができることが特長ですね。こうした安全性・安心性が評価されたようです。


貯蔵庫の入り口。頑丈な佇まいですね。
写真:Svalbard Global Seed Vault


入り口から貯蔵庫までは100mほどの通路になっています。
写真:Svalbard Global Seed Vault


世界中から集められた種子はこのようにしてボックスで保存されています。
写真:Svalbard Global Seed Vault


今後の気候変動や人口増加で食糧難になるかもしれないと懸念されています。そんな時にこのスヴァールバル世界種子貯蔵庫が人類を救ってくれるかもしれません。こんな風に考えると、「僕たち人類の未来」を支えるといっても言い過ぎではないかもしれませんね。




参考:

ノルウェー政府HP:

https://www.regjeringen.no/en/topics/food-fisheries-and-agriculture/svalbard-global-seed-vault/id462220/

VisitNorway:

https://www.visitnorway.com/media/news-from-norway/take-a-peek-inside-the-seed-vault-thats-designed-to-protect-the-worlds-plant-life/

Crop Trust:

https://www.croptrust.org/our-work/svalbard-global-seed-vault/

スヴァールバル世界種子貯蔵庫オフィシャルHP:

写真ギャラリー:

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