北欧の言語の中でもフィンランド語だけ全く系統が異なることは以前の記事でも確認しました(まだ読まれていない方はコチラから)。
言葉というのは時代とともに変化していきますよね。日本語でも死語として使われなくなった単語があったり、若者言葉は今も増え続けています。
フィンランド語も同じように変化しています。今回はその一つとして“hän”という単語に注目してみます!!
hänってどんな意味?
hänは英語でいうhe(彼)とshe(彼女)の意味(厳密には他の性も含む)を含んだ単語。だからhänといえば全ての人が対象になります。
hänはその人の経歴であったり見た目に関わらず誰にでも使える単語なんですね。
どうやって発音するの?
hänの“ä”って見慣れない文字ですが、どうやって発音するのかわかりませんよね。日本語にはない音なのでカタカナで表すのは少し難しい。スウェーデン語の「ö・ä・å」、ノルウェー語の「ø・æ・å」なんかも同じですね。
それでもhänの発音をカタカナで表すなら、「ハン」に近いです。
最近できた単語?
hänはもともと1543年に出来た単語で、当時は人間以外の動物を含むより包括的な単語でした。それが近年の単語の標準化をする上で、人間だけに特定した単語へと変化したわけです。
1543年から存在する単語がその意味を変えているというのは時代の流れを感じますね。特にフィンランドは2018年のジェンダーギャップ指数で世界第4位でした(堂々の1位はアイスランド、それにノルウェー、スウェーデンと続きます)。男女平等を大切にするフィンランドだからこそ生まれた考え方といえますね。
“あの国の文化を知る上で、その国の言語を知ることは不可欠だ”
というように、言語からその国について学べることは多そうです。
参考:
hänキャンペーンHP:
Gender Gap Report 2018:
http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2018.pdf
文筆家、写真家、イラストレーター。学部時代のスウェーデン留学が大きな転機となり、北欧のウェルビーイングを身体で学ぶべく、ノルウェーとデンマークの大学院に進学。専門は社会保障、社会福祉、移民学。2021年6月両国にてダブルディグリーで修士号取得後、帰国。現在は、アニメーション業界に飛び込み、ストーリーテリングの観点から社会へ働きかけるべく活動を広げている。フリーランスとしても活動している。又、北欧情報メディアNorrから派生した「北欧留学大使」を主宰し、北欧留学支援もしている。
■これまでの活動歴:「令和未来会議2020”開国論”(NHK)パネリスト出演」、「デモクラシーフェスティバル2020(北欧5カ国大使館後援)イベント主催」、その他講演多数