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[北欧留学相談] いまの僕ならこう答える

こんにちは、NorrライターのRenです。Norrで記事を書いている傍ら、現在北欧の社会保障制度について勉強しているノルウェー在住の大学院生です。

ノルウェーへ拠点を移したことについて書いたブログはコチラからどうぞ!

紆余曲折あって、今年(2019年)の8月よりノルウェーの大学院に進学しました。大学卒業後ストレートで進学をしたわけですが、進学へ大きく舵を切ったのは、出願締め切りの半年ほど前でした。就職活動を終えてからの方向転換ということで、他の志願者と比べると準備がかなり遅かったのではないかと思います(大学1、2年生時に進学の準備を始めたという声も少なくないので)。

出願の準備にあたって、すでにノルウェーの大学院に進学されていた方と連絡をとることができ、その方から色々と情報やアドバイスをいただいていました。

今回のブログは、「1年前の僕が実際にした質問」「現役大学院生である僕」が答えてみようと思います。やり取りを振り返ってみたところ、大きく4つです。


  1. 留学予算
  2. 現地でのアルバイト
  3. 出願について
  4. 競争率


当時を思い出しながら、1つ1つ答えていこうと思います。
すべての志願者に届け!!

※質問文は当時のものをそのまま使っています。
※スウェーデンの話が出てきますが、僕はかつてスウェーデンのルンド大学に留学していました。




留学予算について


ノルウェーの通貨NOK


ノルウェーの国立大学のみ留学生も授業料が無料とのことで志望度を一番にしているのですが、生活費(食費・寮費・その他諸経費)は月どれくらいかかりますか(ルンド大学のコーディネーターからもお話を聞いているのですが、ノルウェーの生活費はスウェーデンの2倍以上と聞いているので現地の状況をお聞きしたいと思いました)。日本や現地での奨学金制度の利用についてもお聞きしたいです。

「現地での生活費」「奨学金」についてですね。海外の大学院となると、やっぱり現地で必要な生活費が気になりますよね。ちなみに渡航までに必要なお金のことについてはコチラに詳しくまてめてあります。きっと参考になると思います。

まず、「現地での生活費」について。現在(2019年)ノルウェーでは日本人であっても授業料がかかりませんが、世界でも突出して物価の高い国として知られているので、留学前に押さえておくと良いと思います。

確かにスウェーデンよりも物価は全体的に高いですが、2倍は言い過ぎかなと思います。スウェーデン同様やりようによってはそこまでかかりません。

あくまでも僕自身の生活水準ですが、大まかな生活費は込み込みで月10万円あれば足ります。内訳はこんなかんじです。

[固定費]
・寮費4万円
(・セメスターフィー1万円)

[変動費]
・食費2.5万円
・日用品5千円(シャンプー等)
・その他雑費5千~1万円

くらいかなと思います。寮に関しては、「8人でキッチン共用 / 2人でシャワー共用」のところに住んでいます。毎月4万円ほどなので結構安いところだと思います。自分でアパートを契約する人もいて、その場合はちょっと高いかもしれません。固定費に書いたセメスターフィーはセメスターごと(半年に1回)なので毎月の出費ではありません。

基本的に僕は毎日自炊をしているので、あまり食費はかかっていません。時たま大学内のカフェテリアで昼食を摂る時もありますが、だいたい1000円くらいだと思います。他の生活費(具体的なモノの値段)については、詳しくコチラの記事で書いてのでぜひ参考にしてみてください。

なので、「10万円×滞在月数」で大まかな生活費は算出できると思います。

続いて「奨学金」について。これに関しては、現状奨学金をもらっていないのであまり有益な回答は出せません。

知っている範囲内で答えると、日本ではスカンジナビア・ニッポン ササカワ財団という団体があり、ここで奨学金(正確には研究やプロジェクトへの支援金)が給与型でもらえる場合があります。他にもトビタテ留学や自治体ごとに制度があると思うので、詳しくはご自身で調べてみて下さい。

ノルウェーの奨学金についてですが、日本人がもらえないかと思います。場合によっては、プログラムや成績上位者向けの奨学金が用意されることもあるようです。基本的にノルウェーでもらうことは難しいと思っておいた方が良いと思います。




現地でのアルバイト


スタヴァンゲルのカフェ


アルバイトについて 大学院進学の一番の障壁がコストなのですが、現地でのアルバイト等は一般的なのでしょうか。それとも競争が激しくなかなかできるものではないのでしょうか。 

現地での生活費を賄うためにアルバイトをお考えの人も多いかと思います。

結論から言うと、働ける可能性は大いにあります。現状僕はアルバイトをしていませんが、クラスメイトで働いている人は多いです。ノルウェー語を話すことができない人がほとんどなので職種は限られてきますが、配達(郵便からUber Eatsのようなサービスまで)や飲食系で働いている人が多いと思います。

ちなみに、日本のように求人サイトにアクセスするというよりは、コネ(人脈)や直談判するケースがほとんどだと思います。

時給に関しては、最低賃金である1700円程度の場合がほとんどだと聞いています。ノルウェーでは留学生であっても週20時間働くことができます。

オスロやベルゲンなどに行かれる場合は、現地にお住まいの日本人の方もいるかと思うので、Facebookなどでコミュニティーを探してみると良いかもしれません。 人の繋がりがあると見つけやすいです。




出願について



オスロ、ベルゲンなどの都市部や地方にも多くの大学があるのですが、オスロ大学以外はどんな大学にアプライしていましたか(スウェーデンなど他国へのアプライもされていましたら合わせてお聞きしたいです)。 また、アプライするにあたって何が一番重要と考えられるのでしょうか。高校の成績などが求められる大学が多いように思うのですが、英語技能などについてはどれくらいでしたか。また、大学教授からの推薦状などは認可されているのでしょうか。

「アプライした大学(出願数)」「出願のポイント」「英語技能」「推薦状」に分けてお答えしていきます。

「アプライした大学」について。僕が在籍していた学部は専攻がなかったため、プログラム選びには苦戦しました。いわゆるリベラルアーツ(一般教養)を謳っている学部であったのですが、僕は社会学系の授業を中心に取っていて、かつスウェーデン留学時には社会保障やジェンダーについて勉強していたので、この系統でプログラムを探しました。

社会保障を扱っている大学やプログラムはなかなか見つからなくて(僕が調べた限り)、一番ドンピシャだったスタヴァンゲル大学のプログラム(Nordic Master in Social Work and Welfare)を第一志望にしていました。他にも社会学系の授業や文化人類学系統を扱っているプログラムで、同じくスタヴァンゲル大学のSocial Work with Family and Childrenというプログラムと、NLA University Collegeという大学にも出願していました(いずれも落ちました)。なので、3箇所にアプライしていました。


「出願のポイント」について。提出書類は大きく、
「成績・卒業証明書」
「英語技能」
「志望理由」
「CV(履歴書のようなもの)」
「預金残高」
だと思います。

僕自身、進学を決めたのが4年生の初夏だったということもあって、それまで全く成績などを気にしていませんでした。出願当時もそうですが、いまの結果からも考えて、大切なのは個人のスキルや成績などではなく(もちろん学問の一貫性・関連性や最低限の成績を満たしている必要があります)、「志望理由」「CV」が大切だと思います。

とても優秀な成績を修めていたわけではなかったので、僕が意識したことは、

・何をしてきたのか(過去)
・なぜアプライしたのか(現在)
・卒業後の人生設計(未来)


です。就活に似ているかと思います。大学側にとってプラスになる人材を積極的に受け入れていきたいという思いが強い(特に北欧はその傾向が強いのではないかと思っています)と思うので、ここは重点的にやるべきです。


「英語技能」について。北欧留学の情報があまりにも少なかったので、僕は自力本願で片っ端からノルウェーの大学を調べました。色々と出願要件を見た感じ、ほとんどの大学の英語技能の最低スコアがTOEFL ibtで90でした。大学やプログラムによっては80や100など若干変動があるようです。ここに関して、最低限のスコアを満たしていれば良いので、特別高いスコアが必要というわけでもなさそうです。


「推薦状」について。基本的に、提出書類に記載されているもののみの提出となるので、これに関しては大学側から要求されたら必要になりました。記載されていないのに提出してしまうとかえってマイナスな評価になると思います。

仮に提出が必要な場合は推薦者に早めにお願いするようにしましょう。当時ゼミの教授に進学の相談をした時、「推薦状が必要だったら教えてね」と言ってくれていました。加えて、その教授は英語に堪能でなかったので「日本語で書いてくれた推薦状を専門機関にて英文に翻訳する必要があるよ」とも言われました。僕は推薦状の提出を求められていなかったので、必要なかったですが、こういう場合もあるので余裕を持って準備をしましょう。




競争率


以前のスウェーデン留学中にコペンハーゲンマラソンに参加したライター


前述の通り、ルンド大学のコーディネーターからお話を聞いているのですが、ノルウェーの大学院でノルウェー以外(特にEU/EEA圏以外)の学生はかなり少数派だと聞いたのですが、やはり数は少なく競争率はかなり高いのでしょうか。

「競争率」についてですね。これについては、まず僕自身が在籍しているプログラム(北欧の社会保障とソーシャルワーク)が特殊であることと、明確な統計データがあるわけではないことを予めお伝えしておきます。

「北欧の社会保障」ということで、プログラム自体の学生は25人ほどで全員海外から留学生です。ただ、大学全体で見ると海外からの学生は10%ほどのようです(大学HPより)。これは大学によりけりだと思います。

競争率ですが、以前コーディネーターから聞いた時に、出願者数は280人程度(コーディネーター自身もあやふやでした)だと言っていました。これが正しければ10倍以上になりますが、正直信じていません。

僕は遅れて出した書類がいつくかあり、10倍もの競争率があればおそらく待ってくれてなかっただろうと思っています(日本の大学は基本的に3月卒業なので、出願までに卒業証明書を発行できない)。プログラムや年度によっても変動するものなので、あくまでも参考程度に頭の片隅に入れておくべきかなと思います(他の出願者との競争ではなくて、自分をいかに売り込めるかなので!)。

ただ、EU/EEA圏外の留学生であっても学費がかからないというのは、かなり魅力であると思うので、それなりに倍率はあるかもしれません。




さいごに


当時を思い返すと、何と言っても時間がなく他の志願者に比べて準備期間が圧倒的になかったと思うので、必死になって質問していたのを思い出します。

時間がなくても進学できる可能性は大いにある(僕が証明しています)ので、きっと大丈夫です。

良い結果に繋がることを心から願っています。追加でご相談等(SNSでのやりとり)あればFacebookで友達申請をしていただいてからご連絡ください。できる範囲内でお力になれたらと思います(下記プロフィール画面より)。


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