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[北欧留学相談]ノルウェーの現役大学院生が教える進学までに必要なお金のこと

Norrライターであり、ノルウェーの現役大学院生でもあります、Renです。

どういうわけか最近ノルウェーであったり他の北欧の国に進学したい人と繋がる機会が増えました。その中で「お金」のことは特に関心があるようでした。

海外の大学に進学するということでさえ莫大な資金が必要なイメージがある上に、世界でも群を抜いて物価が高いノルウェーなので、お金のことを気にするのは自然なことです。


僕自身もノルウェー進学の決め手が「学費が無料」であることだったのでお金には随分悩まされました。

ノルウェー進学を考えている人と連絡を取り合う中で、1つ気がかりなことがありました。

よくされる質問は「留学中の資金」ばかりで、「留学前に必要な資金」は考えられていないようでした。そう思い今回は、ノルウェーに来る前に必要なお金を記事にすることにしました。

どこよりも詳しく書いた自信があります。どうぞ最後までご覧ください!(僕自身が見落としていた部分が多かったので、これから進学される方がそうならないように)




今回は僕自身の経験を元にノルウェーに進学(申請から渡航直前まで)するまでにどれくらいのお金が必要なのか、かなり細かくリアルな数字をお伝えしていきます。

※この記事で記載されている金額は全て僕の準備期間(2018年秋〜2019年夏)での金額です。




その上で、


①申請までに必要なお金

②入学許可が降りてから必要なお金




の2つに分けて見ていきます。




①申請までに必要なお金


多くのノルウェーの大学院で提出が求められるのは以下の通りです(もちろん全て英文で提出)。


  ・CV(履歴書のようなもの)

  ・大学成績証明書*1

  ・大学卒業証明書*1

  ・英語技能証明書(TOEFL、IELTSなど)*2

  ・高校卒業証明書*3

  ・パスポートのコピー

  ・志望理由書

  ・銀行口座残高証明書


*1 申請期限までに大学を卒業していない場合は、個別で大学側に問い合わせる必要があります。見込みでの卒業証明書を求められる場合もあれば、残念ながら卒業を待ってくれない(申請できない)場合もあります。

*2 英語圏への長期留学経験のある方はその修了証明書を提示すれば免除されることも多いです。

*3 場合によっては時間がかかることがあります。手元に届くまで数週間はみといた方が良さそうです。


※もし英文版を発行できない書類がある場合は公認機関に依頼して英文版を作る必要があります。

※他にも海外留学の予備校のようなところに通われる方はさらにお金が必要になります。

※MBA(経営学修士)などの一部プログラムではGMATGRE(英語で行われる教養テストのようなもの)のスコアの提出が必要な場合があります。




以上の中で確実にお金が必要なのは、


  ・大学成績証明書*1

  ・大学卒業証明書*1

  ・高校卒業証明書

  ・銀行口座残高証明書


です。


証明書関係は大学、高校によって変動があるかもしれませんが、数百円で入手可能です。

参考程度に僕の母校の場合は、

大学の成績証明書、卒業証明書は1通200円(卒業生は300円)。

高校の卒業証明書は1通400円

でした。




続いて、銀行口座残高証明

申請にあたって、現地で生活できるだけの資金を持っていることを証明する必要があります。

僕が在籍してる大学を含め多くのノルウェーの大学では、116,369NOKの残高証明が必要です。

1NOK=12円と仮定して計算すると、1,396,428円です。大雑把に150万円の預金が必要になります。


そしてこれを証明するために金融機関での証明書発行が必要です。

ここでももちろん手数料はかかります。1000円弱だと思います。

参考程度に、三井住友銀行は864円(税込)でした。




ここまでが申請にあたって確実に必要な資金です。

一度まとめておくと、

大学成績証明書発行手数料 200円

大学卒業証明書発行手数料 200円

高校卒業証明書発行手数料 400円

銀行残高証明 1,396,428円

銀行残高証明書発行手数料 864円


小計 1,397,892円


ここまでは確実に必要な金額ですが、人によっては以下の書類でお金がかかる場合があります。

お気付きのように、提出書類に不備がなければ残高証明150万円で申請できるということです。




・英語技能証明書(TOEFLIELTSなど)

・パスポート(新規・更新)




まず、英語技能について。日本で知名度も高いTOEFLとIELTSについて参考の金額を載せておきます。


●TOEFL: US$235=24,675円(税込)($1=105円で計算)

●IELTS25,380円(税込)


申請するプログラムでの最低スコアを超えている必要があるので、スコアを持っていない方、最低スコアに到達していない方は早くから準備されることをお勧めします(参考にTOEFLのスコアだと、低くて80、標準は90以上必要な大学・プログラムが多いです)。この英語技能に関しては個人差があるので必要な金額も変わってきます。




続いて、パスポートについて(日本国内で申請するものとします)。


16,000円(10年間有効)


※新規で作る方も切替で作り直す方も一律で16,000円かかります。


ちなみに僕の場合、ノルウェーにいる間に失効してしまうこと(残存有効期間が1年未満)がわかっていたので、渡航前に切替発給しました。渡航後に在ノルウェー日本大使館(オスロ)で申請もできますが、追加の書類(戸籍謄本又は抄本など)が必要であったり、留学先がオスロから離れていたということもあり予め申請を済ませました。詳しくはコチラ(外務省旅券案内)と各自治体のHPをご確認されてください。


英語技能証明書とパスポートに関しては各自で計算してみてください。




※補足ですが、CVはスウェーデン留学時に仲良くなったアイルランドの友達のものを参考にして作りました。ネットで検索すればテンプレートはたくさん出てきます。

※志望理由書については英語のわかる第三者に目を通してもらった方が良いと思います(僕は誰にも見てもらいませんでしたが、できれば確認してもらうべきだったと思います)。






②入学許可が降りてから必要なお金


晴れて合格通知を受け取ったら、すぐに渡航の手続きをするように連絡がきます。

何と言っても、結果が来るのが早くて3月下旬〜4月上旬、遅いと6月になるので時間がありません。

入学許可が降りてから必ず必要になるお金は以下の通りです。大学側の指示に従って申請を進めます。


  ・海外送金 

  ・居住許可申請

  ・航空券

  ・寮費デポジット送金

  ・海外保険


僕の経験に沿った手順でご説明していきますね。

まず最初にやらなければいけないのが、海外送金です。

これを終わらせないには居住許可申請(Residence Permit)をできません。

この海外送金が一体何なのかと言うと、現地に行ってからの生活費に値します。

ノルウェーの銀行に送金して、現地に行ってから引き出して使うということです。


ただ、この海外送金は ①申請までに必要なお金 で触れた残高証明と同じ額です(116,369NOK)。

なので新しく用意するお金ではありません。

ただ注意しておかなきゃいけないのが、送金する上で手数料が発生します。

僕の場合は6500円でした(金融機関による)。




海外送金が適切にできていれば大学側から受理確認の連絡が来ると思います。

次は居住許可申請です。UDIという移民局を通してオンライン申請を行います。

UDIで申請をするのですが、ここでかかる費用が5300NOK(=63,600円)(1NOK=12円)です。

オンラインでの申請が終わると、次はVFSノルウェー申請センター(東京)という機関に直接行きます。


ノルウェーのビザ・滞在許可申請についてはコチラがわかりやすいです。

ちなみに、2019年1月30日より、ノルウェー大使館ではなくこの機関での申請になりました。


ここでのプロセスが入り組んでいるのですが、このビザ・滞在許可関係の手続きに在日ノルウェー大使館は介在していません。渡航国の在日大使館に直接行くのが一般的であるようですが、ノルウェーはそうではありません。代わりに北京のノルウェー大使館が請け負っています。VFSノルウェー申請センターは申請者と北京の仲介をしているということです。


もちろんここでもお金が必要になります。

・サービス料金 3743円

・北京の審査所への郵送代金 7965円

これを足すと、11,708円です。


ちなみに東京から離れたところにお住いの方は別途交通費等がかかることをお忘れずに!

最低でも2回行く必要があります。




航空券について。

これに関しては時期によると思いますが、最低でも15万円は見積もっておいた方が良さそうです。




色々なことを同時並行でやる必要があり、寮の申請もその1つです。

選択肢として、学生寮に住む、自分で家(シェアハウスなど)を契約するがあります。

何れにしてもデポジットの送金が求められます。

その際の手数料は先ほどの海外送金と同じ6500円です。


僕の場合、寮関係で渡航前にかかったお金は、

・デポジット 3000NOK(=36000円)(1NOK=12円)*初月の一部の寮費

・送金手数料 6500円

で、合計は42,500円でした。

自分で家を契約する時は、2ヶ月分をデポジットとして払う、ということも有り得ます。




そして最後に海外保険について。

これは必ず加入しておくべきです。ただ大学側から指定がないことがほとんどだと思います。


これも進学される方の状況(大学生なのか、既婚者なのか、子持ちなのかなど)によってプランが変わってくると思います。僕の場合は1年間契約で 184,420円 です(大学院は2年間なので更新の必要あり)。


AIG損保を参考にしてみては。




長くなりましたが、入学許可が降りてから必要なお金は以下の通りです。


海外送金(手数料のみ) 6500円

居住許可申請(UDI+VFS) 75,308円

航空券 150,000円

寮費デポジット(デポジット+手数料) 42,500円

海外保険 184,420円


小計 458,728円


入学許可が降りてから確実に必要だとされるお金は以上ですが、

今回も人によってはさらに必要な場合があります。

簡単にまとめてめておきます。


免許更新(ノルウェー滞在中に失効する場合):*優良運転者の場合 3,000円

国際免許取得:2,350円

歯科検診 :(歯の状況による)?円

滞在中に必要な備品(ルーター、ドライヤーなど諸々):?円

予防接種:(ワクチンによる)?円


ここまで言ったらキリがありませんが、提出書類に証明写真が必要な場合もあります。

ついでに僕は渡航直前でパソコンが起動しなくなり、20万円ほどの予期せぬ出費がありました。




以上がノルウェーの大学院までに最低限必要な費用です。


①申請までに必要なお金

②入学許可が降りてから必要なお金


でそれぞれ確実に必要な費用の合計は以下の通りです。


①申請までに必要なお金

大学成績証明書発行手数料 200円

大学卒業証明書発行手数料 200円

高校卒業証明書発行手数料 400円

銀行残高証明 1,396,428円

銀行残高証明書発行手数料 864円


小計 1,397,892円

入学許可が降りてから必要なお金

海外送金(手数料のみ) 6500円

居住許可申請(UDI+VFS) 75,308円

航空券 150,000円

寮費デポジット(デポジット+手数料) 42,500円

海外保険 184,420円


小計 458,728円


                                 

合計 ①+②=1,856,620円


僕自身ここまで費用のことを把握できていなかったので、両親から多大な支援をいただくことになりました。どうしても避けられないお金の問題を解き続ける必要があるので、これから進学を考えている人のお役に立てれば幸いです。




ノルウェーの生活費は?


ここでは詳しく書きませんが、僕の感覚だとざっくり月10万円あれば生活できるかと思います。

内訳は、寮費(4万円)、食費(2.5万円)、日用品(5千円)その他雑費(教科書、交通費など)(1万円)です。


学費はかかりませんが、セメスター(学期)ごとに、施設使用料(セメスターフィー)を支払う必要があります。とは言っても、1万円もかかりません(大学によって多少誤差はあるようです)。


オスロ大学が5ヶ月間の大まかな生活費を提示してくれています。

これに基づくと月13万円くらいの計算になります。コチラを参考にしてみてください。




ノルウェーでは勉強しながらお金を稼げる


数字だけ見ると、少なくとも200万円近く必要になりますが、ノルウェーでは学生でも週20時間までアルバイトができます。非正規雇用でも時間単価が1,700円くらいと日本に比べるとかなり高いです。

単純計算で、毎週20時間働くと考えると、


20時間×1700円(時間単価)×4週=136,000円


を1ヶ月で稼ぐことができます。

これを1年間に換算すると、


136,000円×12ヶ月=1,632,000円


です。ただ、学業第一と考えるとこれは現実的ではないですが。




ノルウェーで奨学金はもらえるのか?


残念ながらノルウェーでは日本人が奨学金を取得することはほとんど不可能(プログラムや成績によっては大学から補助を受けられることもある)ですが、日本でもたくさん奨学金制度はあるので、うまく利用するとトータルで見てかなり安く海外の大学院で勉強できます。何たって、ノルウェーは世界でも数少ない学費がかからない国なので。




ノルウェー進学は計画的に!


今回は進学までに必要なリアルな数字をお伝えしました。僕自身がノルウェー進学を決めたのはおそらく遅く、大学4年の夏頃。僕の大学では出願開始が11月から始まって、締め切りが1月末頃(多くの大学では10〜12月)だったので、半年ほどしか時間がありませんでした。


アメリカの大学院などでは先ほども触れたGMATやGREで高いスコアを取る必要があります。また、高い英語スキルが前提(TOEFLだと100くらいは持っていないと厳しいと思います)なので、まずそこに時間とお金がかかることが多いようです。僕の学部時代の知人でアメリカの大学院に進学した人は3年生の夏頃から準備していました。


その点、ノルウェーは提出書類がそこまでヘビーではないので比較的短時間で準備できます。ただ、お金の問題は最初から念頭に置いておくべきだったなと反省しています。今は海外留学予備校なども複数あるので、無料の個別相談などに行かれるのも良いと思います(僕はアゴスさんの無料相談・イベントに複数回参加させていただきました)。今後、ノルウェーに留学される方が増えることを願ってます。


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